【MHP 2nd】キミとボクと狩られ道（2/4） *

今日は持ってきた？

説明を終えた僕は、おもむろに切り出しました。みなまで言う必要はありません。「はい、今日は学校が休みだったので、持ってきています」。彼が答えました。もちろん、PSPと「モンスターハンターポータブル 2nd」のことです。事前に送られてきたファックスに「MHP 2ndが大好きです」と書いてあったのをチェックしていた僕は、もしかしたらと思い、聞いてみたのです。しかし、これは予想通りというか期待通りというか、彼はちゃんと持ってきてくれていました。

じゃあ、回ろうか？

彼の顔が一瞬、ぱっと明るくなりました。明らかに、あからさまにうれしそうでした。でもきっと、僕の方がうれしそうな顔をしたに違いありません。現役中学生とクエストに出るチャンスなんてめったにありませんからね。お手並み拝見という気持ちでした……この時点では。「何かほしいもの（素材）ある？　それ、取りに行こうよ」。やさしいおじさんのふりをして声をかけた時、彼が切り出しました。

僕、「狩られ道」読んだんです。おもしろかったです。

えぇ？　読んじゃったの？　もとい、読んでくれたの？　予想外の展開でした。実は僕はお土産用に一冊、「狩られ道」を用意していたのですが、それが無駄になりましたというのはともかく、「狩られ道」読者です。さらに彼の言葉が僕を驚かせました。「読みはじめた時は、まだ「最後の招待状」をクリアできていなくて、「狩られ道」を読んでクリアしました。双影剣です」。うわ！　恥ずかしい!!　しかし、それに続いた彼の言葉は、さらに驚異的なものでした。「だいたいプレイ時間は100時間くらいのところで、「最後の招待状」をクリアしました」。

えぇー！　えぇー！　えぇー！

現役中学生のお手並み拝見どころではなくなりました。プレイ時間100時間で「最後の招待状」をクリアです。僕は200時間目に村長クエストのティガレックスを倒しました。「最後の招待状」をクリアした時は、たぶん600時間くらいやっていたと思います。それなのに……彼は100時間、つまり、単純計算、僕の1/6のスピードでゲームを進めているというのです。一体全体、どういう進め方なのだろう……。そこからは逆に僕が根掘り葉掘り彼に質問しました。答えは極めてシンプルだったのですが、とにかく友だちとやり込みまくるのだそうです。彼自身は発売と同時にはじめたというわけではなかったようなのですが、クラスには何人ものベテランハンターさんがいて、誰かがはじめたというと、みんなで一緒に回ってハンターランクを上げ、強烈な素材を集めてあげるのだそうです。そしてそれぞれが家に帰って、夜、一人の時間に村長クエストを進めるのだとのことでした。

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