人生2度目の
職務質問がはじまりました……といっても、1回目も2回目も、質問はほぼ同じでした。「ここでなにしてるの？」「仕事で新幹線に乗るところです」「仕事はなに？」「雑誌記者です」「
ルポライターみたいなものか？」「そうですね」「カバン、ちょっといいかな？ なにが入ってる？」「ゲーム機とノートパソコンです」「ゲーム機？」「はい」「ふぅん、刃物、持ってない？」「いやぁ、（ここはふざけて）すいません、持ってません」「最近、ぶっそうだからさ、悪いね、こっちの袋は？」「着替えとゲームソフトと、充電器ですね」「はいはい、ゲームかぁ、どこいくの？」「小倉です」「なにしにいくの？」「取材です」。
なんとも芸のないことに、1度目とほぼ同じ質問が、やはり前回同様、かなり高圧的な態度で浴びせかけられました。気がつくと4人目の警官もやってきていたのですが、その警官は僕とおそろいくらいに、短くというよりも薄いくらいに刈り込まれた坊主頭で、黒のジャージの上下に、全身これ筋肉！ といったマッスルっぷりは、あの地上最強の生物が一目置くというミスター・ア●チェ●ンを思い出させました。あなたのほうがよほどヤバイと思います……とは言いませんでしたが、今度は僕から切り出しました。
「写真、撮らせてもらっていいですか？」。
「写真？ あぁ、いいよ」。
そういうことを言う人は多いのでしょう、写真を撮るということについては、警官はあっさり承諾しました。
「僕、ブログやってるんですよ、載せさせてもらっていいですか？」。
そう質問しながら、カバンからデジカメを取り出しました。
「ブログ？ あぁ、じゃあ、顔はやめてくれ」。
それは卑怯だろうとも思いましたが、職業上、顔をさらすのは問題があるのかもしれませんし、警官の職務規定も知りませんから、僕もそれは了承して、3人の警官の足元を撮影し、ディスプレイに表示、確認を求めたところ、警官は困惑した様子でしたが無言でうなづきました。案外、うれしかったのかもしれません。僕のこの記事は、彼らがいかに職務に忠実であるかを示す記事でもあるからです。読みようによっては、ですけどねw
