2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [伍]

20090922 パワポケ5.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。 タッチパネルについては、藤岡も悩んだらしい。「甲子園」と「8」の開発が並行して進んでいた頃、藤岡はその苦労を口にしていた。それだけではないが、萩原が言ったように「パワポケ」のおもしろさを物語のおもしろさだとすれば、「パワポケ」には二画面もタッチパネルも必要ない。ただ、藤岡の悩みには背景もあった。DSの初期、任天堂は二画面とタッチパネルを活用するソフトの開発をメーカー各社に要請していた。マイクまで使っている「nintendogs」のようなソフトが模範例だったのだ。現実にはそのどちらも必須ではないソフトが大ヒットを記録し、そうした話は雲散霧消している。 藤岡がそれに悩まされていた頃、シリーズ最新作「ダッシュ」の開発もスタートしていた。そのプログラムとシナリオを担当したのが丸山だった。「ダッシュ」はベテランの丸山と、山本という最も若いプログラマーに、藤岡を加えた三人を中心に作られたGBAソフトだ。DSではなく慣れ親しんだGBAで、「パワポケ」のエッセンスを確認していくかのように開発は進められたのだが、野球部分はカード野球になり、裏サクセスには自動生成型ダンジョンRPGが用意されるという、かなり異色のタイトルになった。何かは確実に継承しつつも、異色のものを仕上げる。これが逆に「パワポケ」のエッセンスなのだ。その作業を終え、無事に発売を迎えてから一ヶ月という丸山は、誰よりも余裕のある表情で会議室の席についた。 「ダッシュ」の狙いは明確です。年齢が上がってきてしまっていた「パワポケ」のファン層を、もう一度、低年齢に広げようということです。そのために、彼らが親近感を持つことができるリトルリーグを舞台に選びました。また、メッセージもなるべく難しい漢字は使わないようにしていますし、わかりにくい言い回しも避けています。ところどころ教訓めいた話も入ってますよね? 「いじめはいけません」とか、「動植物は大切にしましょう」とか。この物語を読んで、素直に感動してもらえたらなぁと思います。 何かのニュースで見たんですが、小学校高学年の子たちが「死んだ人は生き返るか?」という質問をされて、1/3くらいがYESと答えていたんですよ。これはあかんなと思いました。死んだら生き返ることなんてないんだよということをもっとちゃんと知ってもらいたいと思ってシナリオを書いたんですが、そのせいでちょっと暗めの話が多くなってしまいましたね。 確かに従来の「パワポケ」に比べれば、「ダッシュ」のシナリオ中で死んでいくキャラクターは少ない。だが、それだけで丸山の言葉を鵜呑みにすることはできない。シナリオ中に死んでいくキャラクターは少ないが、予め死んでいる(設定になっている)キャラクターは多い。その積み重ねがねじれた笑いになっていくのも、「ダッシュ」のシナリオの妙味だ。丸山は、確信犯だ。「パワポケ」自体、シリーズすべてを通して確信犯なのかもしれないが。 また、「パワポケ」にはパワポケポイントという仕様があり、それを消費して裏サクセスをはじめとする様々なお楽しみ要素を手に入れていくのだが、ポイントはサクセスで作った選手を「潰して」手に入れる。手塩にかけて育てた選手を失わなければ(選手登録をしないことが条件)、手に入れることができないのだ。「ダッシュ」のストーリーを待つまでもなく、「パワポケ」にはすでに特撮戦隊物のような独自の死生観が盛り込まれていた。 「ダッシュ」ではじめてシナリオを書かせてもらったのですが、僕にとって「パワポケ」は自由に遊ばせてもらえる遊び場のようなものです。以前は他のタイトルの開発に関わっていたのですが、「パワポケ」チームでは今までやらせてもらえなかったようなことができますね。なんでもありですし、表現そのものについてもぎりぎりまで攻められるコンテンツです。そういう意味では、作り手の立場に立っても魅力あるものです。 「このゲームをプレイしてもらって、少しでも少年による凶悪犯罪が減ってくれればと思います」。冗談のようなメッセージを残して会議室を後にした丸山と入れ替わりで、勢いよく博多が入ってきた。「博多君は、茜を考えたスタッフです」。藤岡の紹介に倉西がはっとして顔を上げる。茜とは「8」に登場する彼女キャラで、公園に段ボールで家(アカネハウス11号)を造って住んでいる女子高生で、「8」の中では倉西が最も好きなキャラだ。 博多です、どうもこんにちは。なんか面談みたいであれですね。えぇ、今、藤岡さんが言った通り、茜は私が考えました。「8」では他にミニゲームの「くるくるバキュ~ン」も入れてもらいました、はい、「魂斗羅」です。 「おぉ」。倉西が小さく拍手した。「くるくるバキュ~ン」はコナミの名作シューティングアクション「魂斗羅」のパロディだ。パロディというよりもそのものかもしれないが……。倉西はそのメガドライブ版「魂斗羅 ザ・ハードコア」のファンなので、「8」でも「くるくるバキュ~ン」はすぐにパワポケポイントを使って手に入れていた。時間がない時は、それだけを遊ぶこともあるらしい。 僕自身はアクションゲームは苦手なんです。でも、「魂斗羅」だけは何故か印象に残っていて。難度が高いということもあるんでしょうけど、なんこう、自由が利かないイライラ感というか。その不自由な、昔ながらのアクションゲームというものを今のユーザーのみなさんに楽しんでもらいたくて、がんばって作りました。 「パワポケ」は僕にとって、妄想を具現化する場所なんです。なので、作っていてつらいなんてことは一切ないです。ほんとにつらくないんですよね、作っていることが。だから今もこっそり「あれ」を実現しようという目標があってがんばってます。実現できるかどうか、あとは藤岡さん次第です。 茜も、まわりからは好き嫌いが分かれるキャラだねと言われました。最初の出会いからかなりキテいて、あそこまで痛いキャラはシリーズを通しても他にいないんじゃないかと思ってます。最初からひたすら突っ走っていくだけ、突っ走りきる痛いキャラを作ろうと考えてました。ただ、何かインパクトがほしかったので、今流行の妹だ! と。その時点でできあがっていたようなものです。僕は自分のシナリオを製品版でプレイして笑うことがあるんですよ。茜もそうだったのですが「パワプロクン、セリフがくさいよ」とか、自分で作っておいてつっこみを入れたりしています。 ※倉西のテキストは、Mac OSで書かれています。 twitter ユーザー名 kararemichi MH3(tri-) ハンターネーム:SEIICHI ID:DY2FGH

 

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