2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [四]

20090922 パワポケ4.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。 萩原も遠慮なく答える。 えぇ、もう、消してやりましたわ、一瞬で。モードセレクトは何度でも、しょっちゅう見る画面なんで、ぱっと見てわかりやすいものにせなあかんですからね。でも、気づいてもらえてます? さりげなく小ネタが盛り込まれてるんですよ。 倉西があわててDS Liteの電源を入れ、「あっ」と小さく声を上げた。「8」のモードセレクト画面の「アレンジ」には、金髪で野球帽に花を挿したキャラクターが描かれている。「ダッシュ」の「アレンジ」では、パワプロクンが頭にオレンジをかぶっていた。してやったりという笑顔を萩原が浮かべる。倉西は悔しそうだ。言い訳もしない。 「パワポケ」を一言で表現すると、くさやです。または、靴下。とにかく臭うんですよ、「パワポケ」は。大人の味というか、とにかく万人ウケはしないんじゃないかなぁと思いますね。でも、私ねぇ、それがイヤなんです。もっともっと多くの人に広まっていってほしいんです。たとえば「パワポケ」は野球ゲームとしては中途半端やと思います。でも、物語はおもしろいと思うんです。これ、RPG好きの人にやってもらったら気に入ってもらえるんじゃないかなぁ、「パワポケ」って実はRPGやねんと言いたいなぁと思うんですが、そんな人は普通、迷わずRPG買いますよね? まさかこんな野球帽かぶったヤツが物語の主人公で、実はゲームはRPGですなんて思わないですから。もうね、パワプロクンも野球帽とってなんかこうファンタジーっぽい帽子とか被せた方がえぇやんとか思うくらいです。野球帽かぶったヘンなヤツがRPGをやってる。それが不自然なことじゃなくて普通に受け入れられるようにならないと、「パワポケ」は50万本売れません。 製品版ですか? プレイしません。開発中に腐るほどプレイしますから。発売後に受け取ったら机の引き出しの奥にしまって終わりです。一切、プレイしません。過去は振り返りません。ずんずんずんずん前に向かって進んでいくだけです。五年ローンですから。 藤岡が萩原に「あれ、やったらえぇやん」と促す。「マジですか?」萩原が驚き、でも、嬉しそうな表情を見せる。「あれがえぇなぁ、ほら、あぁなるヤツ」「それ、持ってきてないですわ」「じゃあ、あっちでえぇわ」。二人の会話が終わると、萩原が会議室を出た。 今から萩原が手品させてもらいます。今、チーム内で第二次手品ブームなんです。第一次ブームの後に、みんな飽きてもうて「イリュージョンの墓場」ができたんですが(不要になった手品グッズを段ボール箱に入れていたらしい)、今、第二次ブームでその墓場を暴いているところなんです。 萩原が手品グッズを抱えて会議室に戻ってきた。「見んといてください」と言いながら、背後のテーブルで仕込みをし、いくつかの手品を披露してくれた。倉西はいちいち声を上げて驚く。その様子に調子に乗った萩原も、持ちネタの手品を次々と披露していく。やがてマジックタイムが終わり、萩原が会議室を出ようとしたその時、ハプニングが起こった。彼女はふと体勢を崩し、使っていたトランプを床にぶちまけてしまったのだ。「こっち見ちゃダメですよぉ」。萩原がしゃがみこんでそれを隠す。正直、タネがバレたものもあった。だが、倉西は気づいていない。しゃがみこんだ萩原を見て笑い、手を叩いて喜んでいる。「おもろいもん」に対しては、本当に遠慮がない。 すいません、ちょっとタバコタイムにしていいですか? 倉西が言った。藤岡も倉西も喫煙者だ。全館禁煙のパワプロプロダクションでは外に出ないとタバコを吸うことはできない。ここまでで当初予定していたインタビュー時間の二時間は軽く超えていた。まだ四人しか終わっていないというのに、二人は外に出て行った。 心配した担当広報の小津が担当編集者に聞く。「大丈夫ですか? スケジュール」。本来は、「パワポケ」インタビューは二時間で終了し、その後、谷渕が入って別のテーマでのインタビューが行われる予定になっていた。「谷渕も、何か問題が起こっているらしくて、今は抜けられないと言っています。もしよろしければ、このまま編集長にインタビューを続けていただいてもかまいませんか?」。大丈夫ですと、担当編集者が答える。四人のインタビューを終えて、彼のノートには何ページものメモがとられていた。 藤岡と倉西が何か小声で話しながら戻ってきた。「さぁ、じゃあ、続けましょうか」。五人目はプログラマーの三浦。萩原と同期で入社以来、「パワポケ」チームに参加しているらしい。藤岡、西川、井上と比べれば、萩原も三浦もまだ若いスタッフだ。 「パワポケ」は僕にとって仕事です。仕事なんですけど、普通、仕事というとイメージするようなきつい感じとか、そういうことはないです。ユーザーさんの反応も含めて、毎回いい刺激をもらえる楽しい仕事です。僕、開発中に毎回メモをとるんですよ。毎回違うことをやろうとしていますから、次のアイディアをメモに残すんですね。プログラムについてのものもありますし、サクセスのネタもあります。ただ、実際に次回作の開発に入った時には、必ずしもそのメモの内容を意識するということはないですけどね。 「8」からハードがDSになって、二画面、タッチパネルという新仕様が入ったわけですが、タッチパネルを使ったアイディアは厳しかったかもしれません。いろんなアイディアが出たんですが、上手にそれを利用するアイディアが出きっていないですね。 「パワポケ」を一言でいうと、キメラです。元は野球ゲームだったんでしょうけど、いろんなものがくっついていって、なんだかワケのわからない生き物になってしまったというような感じです。今もまだ成長を続けていますし。 ※倉西のテキストは、Mac OSで書かれています。 twitter ユーザー名 kararemichi MH3(tri-) ハンターネーム:SEIICHI ID:DY2FGH

 

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