2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [参]

20090921 パワポケ3.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。 藤岡が言った通り、西川はよくしゃべった。一人当たり予定時間は15分程度……というのもバカらしいほど超過して、西川は会議室を出た。藤岡が、特有の確信犯的な笑顔を浮かべている。西川の次に会議室に入ってきたのは大木だった。「?」。一同が、大木の手元に注目した。彼はコットンティッシュの小さな箱を手にしていた。「いや、緊張したら、汗、ふこうと思って」。つかみはOKだ。藤岡のコーディネイトが冴える。 「パワポケ」には「5」から参加してます、はい。えっ? いや、楽しい仕事です。僕、アクションやシューティングが作りたくて「パワポケ」にきたんですよ。すいません、野球ゲームなんで、それもなんかちょっとおかしいんですけど。主にミニゲームを担当してまして、キャラクターを作る人と一緒に作っていくんですが、ある時期から射的ゲームをやりたいという気持ちが強くあって、何度か企画はボツになったりしたんですが、初詣イベントでようやく採用できました。ほるひすですか? はっきり言って画面に現れて視認した段階で発射してたら当てられないかもしれません。 「パワポケ」を一言で表現すると、大人のちょっと苦い飲み物です。最初は苦さしか残らないですけど、慣れてくると、ものすごくおいしいものです。「パワポケはハタチになってから」という感じなんですけど、飲んでもらえれば子どもでも楽しめますよ。 藤岡が笑いながらアシストを出す。「大木君、元は舞台役者やったんですよ。なんでこんな緊張すんねん」。つかみだけではない。しっかりネタまで仕込まれていた。大木はますます恥ずかしそうにちらりと唇をなめて話す。 舞台は緊張せぇへんのです、はい。舞台から見ると照明が当たっていて客席は真っ暗じゃないですか。誰がいるのか、それともいないのかもわかりません。そういう中で話すことはできるんです。 そそくさと会議室を後にする大木。代わって入ってきたのは「パワポケ甲子園」のプログラマーを務めた井上。長く「パワポケ」本編のプログラマーだったのだが、シリーズの拡大にあわせて「甲子園」担当に移った。「パワポケ」には現時点で「甲子園」と「ダッシュ」という二本の傍系タイトルがある。本編は「パワプロクンポケット」というフルネームをナンバリングしたタイトルになり、傍系は「パワポケ」という略称に何か言葉をつけたものになると、藤岡が簡単に説明した。とはいえ、そのシリーズとしての拡大が明確に意図されているものなのかどうかは、わからない。 「パワポケ」は仕事です、僕にとってはメシの種です。「パワポケ」でごはん食べてるという意識はありますね。「甲子園」をやったんですが、めんどくさいですね、人の管理が。いや、「甲子園」の登場キャラが多いという話じゃないですよ、働いている人、開発チームの管理がめんどくさいです。 「パワポケ」は一人の選手を育てるもので、「甲子園」はチームを育てるものなんですけど、登場キャラが多くなって一人一人のキャラクター性がちょっと弱かったかもしれません。「パワポケ」が濃すぎるんですけどね。このゲーム性の違いを楽しんでもらいたいです。誰をチームに入れるかによって、かなり変化しますから。 「パワポケ」を一言でいうなら、愛です。やっぱりなんやかんや言いながら十年かな、自分の人生の中で大きなウェイトを占めているものですからね。また、ゲームの中にもいろんな愛があるじゃないですか。彼女への愛、家族愛、マニアなグッズに対する愛というか執着。愛がつまってますよ、「パワポケ」。製品版をプレイし直して笑うことはないです。基本的には冷めてるんですよ、私。 倉西が笑った。クールな人間が「パワポケ」なんか作れるわけないじゃないかと言わんばかりに、かなり失礼なタイミングで。 そうですねぇ、「パワポケ」に限らず、ゲームでは笑えないです。ゲームは客観視できないです。他の人が作ったパートで感心することはたまにありますけどね、あぁ、これ、よくできてるなぁって。「パワポケ」はしっかり遊べる、いいタイトルだと思いますよ。 西川と比べれば短い時間で、井上は会議室を出た。ここまでで三人。予定時間ははるかに超過しながら、藤岡にも倉西にもあわてる様子はない。本当にこのペースで十人と話すつもりなのだろうか。担当編集者はあきらめたのか、うつむいて首を左右に振った。 むっさいおっさんが続きましたけど、次は女性です。チームでただ一人の女です。彼女は裏サクセスの環境画面を描いたり、彼女キャラを描いたり、球場のテクスチャーやメニュー画面をデザインしたり、ミニゲームもやったり、グラフィッカーなんですけど、なんでも屋ですね。また、その球場のテクスチャーでとんでもないもん描いてきたりするんですわ。ヤバイでそれ、あかんてと、こう……。 藤岡の言葉を遮るように、萩原が会議室に入ってきた。確かに妙齢の女性だ。藤岡がヤバイと言うようなことをしてしまうふうには見えない。倉西は藤岡の言葉を聞いて興味を持ったらしく、身を乗り出して話している。「おもろいもん」に対しては遠慮がない。 私にとって「パワポケ」は収入源です。ローンの返済のために毎日働かせてもらってます。新車のベンツ買うたんですよ、そのローンが五年残ってるんです。車の運転もそんなにしないです、土日にちょっとくらいで。はじめて買った車です。だって、ベンツってなんか安全そう、強そうじゃないですか。ぶつかっても負けませんし、事故起こしてもケガしなさそうじゃないですか。もちろんそんな大きいヤツじゃないです、小ベンツですけどね。でも、ローンが五年なんです。いいんです、たいがいの方にはあきれられますから。農業高校に通ってた頃はトラクターに乗ってたんですけどね。 一気にまくし立てる萩原に、藤岡が横からちゃちゃを入れた。 萩原さんは厳しいんですよ。以前、モードセレクト画面の下にパワプロクンを描いていたんですね。乗り物に乗せてたんですが、それが実は自転車やったんが原チャリになって……と、段々進化させてたんです。次はナナハンにでも乗せようかなぁと思てたのに、彼女がモードセレクトの担当になったらばっさり切られましたわ、「こんなんいるか!」って。 ※倉西のテキストは、Mac OSで書かれています。 twitter ユーザー名 kararemichi MH3(tri-) ハンターネーム:SEIICHI ID:DY2FGH

 

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