【MHP 2nd】キミとボクと狩られ道（4/4） *

ちょっと待ってね。

彼の取材を受けていた会議室から大あわてて編集部に戻ると、攻略本編集部・男塾先輩の手下、荒木というヤツがいました。ただいただけではなく、たぶん仕事してたんじゃないかと思うのですが、その時の僕に、冷静な判断を求めても無理です。「荒木、会議室。PSPと「MHP 2nd」持ってきて。（オオ）ナズチだから」。それだけを告げ、会議室に戻りました。何事かと焦った荒木は満充電状態のPSPと、念には念のための電源タップを持って走ってきました。そのへんはさすが男塾先輩の配下です。教育が行き届いていてけっこうです。

荒木さぁ、剣士ね。わかってるよね？　尻尾ね。

「はい、自分、太刀ッス」。元気に答えた荒木は、龍刀【朧火】でやってきました。しかし、ここだけは、ちょっと失敗したかもしれません。僕と荒木のやりとりを聞いていた彼は、もしかすると編集長という人はものすごく横暴な人だと思ったかもしれません。あるいは「狩られ道」そのまんまのやりとりに驚いたか……とか思っていたのですが、集会所に現れた彼のものすごい出で立ちには圧倒されました。まだ100時間を少し超えたくらいで、この装備か……。僕たちも負けるわけにはいかない。改めてそう思いました。中学生男子、おそるべし。

ありがとうございました、霞龍の上皮、あと1つです。自分でがんばります。

2頭のオオナズチを狩ったところで、彼が言いました。いつの間にか、クエスト開始から1時間近く経っていました。荒木も期待通りの活躍をしてくれて、2頭とも尻尾を落としていました。報酬とあわせて、2頭で6個の霞龍の尻尾が手に入っていました。僕も大満足でした。こんな愉快な時間を過ごさせてもらって、さらに……ちょっと恥ずかしいですが、中学生男子と心を通わせることができて、うれしかったです。なにより「狩られ道」に込めた僕の願いが彼らに通じていたこと。このことは一生涯、忘れないでしょう。

丁寧に礼を言って、彼が帰りました。「2nd」ではどうにもこうにも勝てそうな気がしませんが、「2ndG」は絶対がんばるよ、おじさんも！　もしも機会があったら、いつかどこかでまた回ろう。

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