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（前回から続く）
先にも書いた通り、福岡へは、東京を7時50分に出る新幹線で向かいました。自慢じゃないですが、こんな商売をはじめて長いですから、朝はからっきしダメです。もちろん、先輩も同様です。そんな時間の新幹線に乗る……ということは、前の晩から起きていてゲームでもやって、新幹線に乗ってから寝ればいい、そう考えるタイプです。案の定、先輩は前日から編集部に入って仕事したり、「
MHP 2nd」をプレイしたりしながら時間を潰して、東京駅にやってきました。僕も、そうとう睡眠時間は短かったのですが、まぁ、ゴールドルナシリーズのためなら、まったくもって苦ではありません。むしろ、こんな機会を作ってくれた男塾先輩に感謝しそうな勢いでした、バカだから。
定刻になり、新幹線は出発しました。さ！ 回るぞ!! ところが、先輩は腕組みして目をつぶっています。「おいおい、話が違うじゃん」とは思いましたが、まぁ、疲れているのでしょう。5時間もあるわけですから、少しくらいは眠らせてやるか。優しい上司ですから、一人でク
エストに向かいました。なんてね。ほんとはハチミツもポッケポイントも心細かったので、上位の密林：素材ツアーに行っておきたかっただけでした。せっかくこれから
リオレイア希少種を狩りまくるわけですから、ポッケポイントを十分に用意してトレニャーにも活躍してもらわないともったいない。上位といえども、
イャンクックなど、もはや僕の敵ではありません。不足しがちな生肉もファンゴから手に入れましたし、ポッケポイントもしっかり稼いで、ク
エストは終わりました。
「わかりましたよ、やりますよ」。
男塾先輩が目を覚ましました。僕は小さくですが、音を出してプレイしていました。小さくとはいえ、ポッケ農場で「アイテムボックスに送る」を選択していると、かなり激しく音が鳴ります。それで目が覚めてしまい、やる気満々の僕を見て、新幹線を主張してしまった手前、やらざるをえないと思ったようでした。そんなつもりは一切なかったのですが、作為のない作戦勝ちです。ク
エストに引っ張り出してしまえば、こっちのものです。
先輩は僕の腕前を知っていますから、装備も万全でした。武器は狩猟笛のガオレンズベル、防具はフルフルUシリーズです。まず、ガオレンズベルですが、笛の効果に強走効果【大】と風圧完全無効、さらに龍耐性【大】があります。
リオレイア希少種と戦うク
エスト「幻の金竜を探して」の舞台は塔です。ヤツが出現する最深部までは、そうとう走らなければなりません。先輩はキャンプでまず強走効果【大】の音色を奏で、その効果を延長して走り出します。そしてヤツが出現するエリア10の手前、エリア9に僕が到着したのを見計らって、強走効果【大】、風圧完全無効、龍耐性【大】を次々と唱え、エリア10に入ります。ここまで無言。寡黙な職人のような「いい仕事」には、ちょっと感心させられました、くやしいことに。
また、エリア10に入ってから、いい仕事をするのがフルフルUシリーズです。フルフルUシリーズは、すべてそろえると広域化+2が発動します。なんでも、先輩が回復薬を使うと、僕まで回復することができるのだそうですと言いますか、回復薬を飲んだ覚えのない場面で回復していました。先輩は
リオレイア希少種と戦いながら、僕の体力残量にも注意を払い、的確に回復させてくれていたのです。すばらしい！ けど、ま、当然だよな、編集長だし……とか。思ってはいません。僕は「
MHP 2nd」プレイ中は素直な人間です。力尽きそうな大ピンチを何度も先輩に助けてもらい、この時ばかりは大感謝でした。
（第3回に続く）
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