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(中編から続く)
3回目のク
エストは順調に進みました。実は割と早い段階で爪に引っかけられて連続してダメージを受け、あえなく力尽きたりしました。ただ、今回は精神的に余裕があります。自分が持っている薬が尽きても、彼女が調合しているであろう薬があれば戦える。念のため、調合書まで持ってきてもらっています。失敗することもないでしょう。8番の山の上に彼女の姿は見えませんが、順調に生焼け肉も焼かれていることでしょう。僕は戦いの途中で何度も8番の山に登り、彼女からアイテムを受け取り、戦いは続きました。2回目に力尽きた時も、まだ余裕がありました。思っていたよりは早くなってしまいましたが、シビレ罠や大タル爆弾Gも投入し、確実にダメージは与えているはずです。
ティガレックスが足を引きずり、飛び立ちました。3番に向かっています。瀕死のヤツが、逃げたのです。
今だ!
まるで最初から計っていたように、山の上から飛び降りてきた彼女が最後の回復薬グレート10個を僕に渡しました。彼女に残された役割は、3番の上の通路で笛を吹くことだけです。言葉はありませんでした。僕らはたった1つの目的に向かって、無言で雪山を走りました。意外とかわいいポーズで休んでいる
ティガレックスの目の前に爆弾を置き、起爆させ、叩き起こしました。さらに通路の上の彼女に向かっていったすきにシビレ罠を設置し、ダメージを与えました。狭いエリアであることを逆に利するため、シビレ罠2つ分の素材は残していたのです。1つはシビレ罠として受け取り、もう1つはトラップツールとゲネポスの麻痺牙でしたが、調合も成功しました。
しかし、さすがは
ティガレックス、「
MHP 2nd」を象徴するモンスターです。なかなか倒れません。何度も何度も苦しそうにあがきながら、それでも攻撃の手を休めません。逆に僕の方の集中力が切れ、くだらないことに岩とばしを喰らってしまいました。まずい! 前転2回で距離をとって太刀を収め
ダッシュして安全圏に逃げ、あわてて回復薬グレートを、その最後の1つを飲みました。回復薬はまだ残っていましたが、一度に大量の回復ができるのはこれが最後。次に攻撃を喰らったら……そんなことを考えている僕の視界に、彼女の方に向かって突っ込んでいく
ティガレックスの姿が見えました。もしかしたら、反転して、僕に向かって猛
ダッシュしてくるかもしれない。あるいは回転攻撃を繰り出してくるかも。もしそうなったら、もしそうなったら……。おそろしく長く感じた、おそらくは一瞬で僕は
ティガレックスの右腹に向かってクラブカッターをなぎ払いました。
ティガレックスは、彼女に向かって無意味な岩とばしの動作に入ったように見えました。
目的を達成しました。
雪山3番右下のキノコに顔を埋めるように、
ティガレックスが倒れました。本当に、言葉もありませんでした。「倉西さんのおかげで、HR3になれたよ!」。彼女はそう言ってくれましたが、僕はそれには答えずに剥ぎ取っていました。この勝利は、僕だけの力でもたらされたのではない。完全にチームワークの勝利です。たった1つの目的に向かって、大の大人が二人、真摯に挑んだ結果なのです。この瞬間まで、僕は達成感という言葉を忘れていました。この瞬間まで、僕は充実感という言葉を忘れていました。そして、この瞬間まで、僕は勝負ということを忘れていました。僕は……僕は……。
ポッケ村に戻り、加工屋に会って、物欲が再び刺激されるまで、NOW LOADING画面を、僕はパートナーとなった彼女と「
モンスターハンターポータブル2nd」への純粋な感謝を胸の奥で反芻しながら眺めていました。
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