つながるということ、接続と検索 その3

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まず最初にお断りしておきます。ネタバレ注意です。ですというか、ネタバレです。これから「バベル」を観ようという方は、このレビューは読まないでください。そういう方のために一言でまとめておきますと、僕はこの映画が好きです。以下にまとめるような視点で見ると、極めてテーマ性の強い「作品」だったのではないかと思います。いや、僕自身はその、観るまでは「世界的な規模で進行する悪の秘密結社の邪悪な陰謀にブラピと役所広司が挑む」映画だと思ってました、何故かorz 全然、違いましたね。 以下、ネタバレの、さらなる続きです。 この映画がインターネットを前提に着想されたものだと感じた理由は、時間の表現にもあります。モロッコのシーンの最後、ブラッド・ピットが病院から子どもたちに電話する場面があるのですが、その会話は、映画の冒頭、サンディエゴ~メキシコのシーンで描かれていたものです。ストーリー的には、既に、ベビーシッターの女性が強制送還され、サンディエゴ~メキシコのシーンは終了していたのですが。一発の銃弾からはじまった事件が同時進行で描かれているのではなく、実は事件後に起こった事々を、まるで同時進行であるかのように描いていた、というだけなのです。つまり、時間的な制約とは無縁に、ストーリーラインが切られていたということです。言うまでもなく、僕たちはインターネットと接する時、時間から自由です。その時間感覚も、この映画はさりげなく描いていました。 「バベル」というタイトルも象徴的です。人が神の領域に踏み込もうとして高い高い塔を築こうとし、神の怒りに触れ、塔は破壊され、人々が話していたという共通言語は取り上げられ、人は別々な言葉を話すようになり、世界各地に離散していったというのが、旧約聖書に描かれるバベルの塔のエピソードです。テーマはコミュニケーションです。また、バベルの塔が築かれ、聖書が生まれたという世界は、砂漠の土地です。その土地で編まれた旧約聖書、創世記の冒頭には「はじめに言葉があった」と記されています。「バベル」は、コミュニケーションというテーマを、現代のインターネットを前提に、根源から問い直そうと試みた作品だったのです。 映画の最後、東京のシーンでかなり長い時間、セリフもなく、坂本龍一の「美貌の青空」が流れます。僕の記憶に間違いがなければ、「美貌の青空」は当初、ベルトルッチ監督の「シェルタリング・スカイ」のために書かれた曲でした。ただ、その曲があまりに悲しすぎるという理由で映画には採用されず(もともと、悲しい曲をというオーダーだったにもかかわらず)、坂本龍一さんがアルバムに収録していたものでした。その音楽が、東京のシーンで、映画の最後に流れます。「シェルタリング・スカイ」もまた、砂漠を舞台にした映画でした。 そんなことを思いながら席を立ち、いち早くタバコが吸えるように、エレベーターからすぐ外に出て、強風の中、セブンスターに火をつけました。目の前に都立新宿高校がありました。そういえば、この高校は坂本龍一さんの出身校ではなかったかと、ぼんやり記憶を探る頭の中に、いつまでも「美貌の青空」が鳴り響いていました。

 

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