やっぱり売れているもの、人気のあるものは違いますね

(C)大場つぐみ小畑健/集英社 (C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
原作コミックを7巻まで読んで、そして映画、2本とも観ました。一気に2本、続けて観たわけではないのですが、堪能しました。やっぱり売れているもの、人気のあるものにはわけがあるんですね。原作コミックの時も思ったのですが、なんとなく避けている大人の人にもおすすめします。 あまりいろんなところで話題になっていないような気もするのですが、また、ネタバレじゃないだろうと思うので書かせていただきますが、ストーリー展開はコミックを忠実になぞってはいません。2本とはいえ5時間はない尺の中に収めなければならないわけですから、コミックそのまんまのストーリー、登場人物設定にはなっていません。でも、映画は映画で楽しめました。「あ、そうなるんだ!」と思わされるシーンもいくつかありましたから、ぜひ、原作コミックを読んでから、映画を観てみてください。過去の経験では原作小説やコミックを読んでから映画を観ると、たいてい「つまんないなぁ、映画は」という感想を持つことが多かったのですが、今回は違いました。もちろん、原作コミックを読んでいなくて、十分楽しめるとは思います。思いますけどね。十二分に楽しみたければ、やっぱり読んでからだなぁ。 そしてこれはいろんなところで話題になっているような気がするのですが、Lを演じた松山ケンイチさんの演技はすばらしかったです。1本目の時はちょっと演技が弱いかなと思っていたのですが、実はそれは伏線だったというか、2本目の演技は見事にその1本目の弱さを前提としているものでした。これ、本当にイチから設計した演技だったらすごいな。Lは天才的な名探偵なので、ありえないこの事件の謎をどんどんどんどん解明していきます。コミックのようにじっくりその部分を説明できない映画で、セリフひとつで謎が解明されたことに正当性を与え続け、ストーリー全体を御都合主義に陥らせずに、観客に納得させる。これはなかなかできることじゃないと思います。よかった。 一方で、夜神月を演じた藤原竜也さんには、ちょっと不満もありましたが、衝撃的なラストでの演技は貫禄十分といった感じで、なかなか。この役者さんはきっと、将来、大物というか、大成するような気がします……って、もう、きっと有名な人なんだろうな。すいません、芸能関係、うとくて。あぁ、リュークの声を担当した中村獅童さんにもちょっとだけ違和感を覚えましたが、レムの池畑慎之介さんは絶賛。あの役、難しいと思うんですよ、人間的な感情を持つ死に神ですからね。それをしっかり演じきられていました。 という感じで。くりかえしになりますが、なんとなく敬遠しているかもしれない大人の人におすすめ。ぜひ原作コミックを読んでから、観てみてください。

 

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