【MH3(トライ)開発秘話】#1 モンスター(その9)#MH3
(その8からの続き)
――ネットワークモードにしか登場しない、巨大なアゴを持つモンスターのイビルジョーは?
藤岡 ネットワークモードならではの仕掛けを考える一環として、「とにかく強そうで、協力プレイで立ち向かっても無理かも」というオーラをかもし出すモンスターを作りたかったんです。インパクト重視の考えから、飛竜でもなんでも捕食対象にしてしまう設定にしたんですが、予想以上のインパクトが出ましたね。デザインの際は、「絶対的にヤバイ雰囲気を持ったモンスター」という指示を出しました。これはアゴを強調した案ですけど、口がグワッと開いて筋肉も盛り上がっていて、明らかに近づきたくないですよね。プレイした人はみんな、「アイツ怖いです」とか「会いたくないです」と言うんですが、それがこちらの意図した部分なので、「それでいいんです!」とニコニコしてます(笑)。
――イビルジョーの名前はストレートな感じで、『MH』シリーズとしては逆に珍しいタイプですね。
藤岡 あえて、ひねりたくなかったんです。とにかく圧倒的な雰囲気をそのまま言葉にした感覚。恐竜学者がとんでもない牙の化石を見つけたときに、勢いで「デビル~」とつけちゃうようなイメージです。だからストレートに、悪魔(イビル)のようなすごいアゴ(ジョー)。シルエットもシンプルなほうが逆に威圧感を感じたので、比較的無駄となりそうな部分は省いてますね。
――身体の大きさも威圧感の一因ですよね。
藤岡 体格のいい外国人力士みたいですよね(笑)。
辻本 対戦格闘に例えると、実は『ストリートファイター』シリーズの豪鬼なんです。ベガと戦っていたら、突然乱入してくる謎の存在で、しかも強い(笑)。
――たしかにイビルジョーは、普通のモンスターを狩っていると突然割り込んでくる凶暴な存在ですね。
辻本 乱入だけでも困るのに、音楽まで変わるわがままさ。どこの歌うガキ大将なんだって話ですよ(笑)。
(その10に続く)
※インタビュー全文は電撃ゲームス 6月18日発売号に掲載されています。
シェア