読む。ケイオスリングス(その3)
ーー直良さんのキャラクター、メディア・ビジョンの開発と、コンシューマRPGとまったく同じといってもいい布陣で臨まれた『ケイオスリングス』ですが、iPhoneだからという理由ではなく、一般的な、オリジナルのRPGを制作するという視点で、なにか苦労されたことはありましたか?
安藤:ちょっと生々しい話になりますが、創ろうとした本格的RPGの内容に対して、制作期間や制作規模のせめぎあいが大変でした。凄いものを創らないといけないが、売価や市場のことを考えると自ずと規模も決まってきます。時間とお金をかければどんどんいいものにはなりますが、一方で厳しい制限もあったということです。制作スタッフのみなさまにはずいぶん御苦労をおかけしたと思います。
ーーまた逆に、iPhoneというプラットフォームで作る本格的なRPGだからという理由で、苦労されたことはありますか?
安藤:操作も含めたインターフェイスの部分だと思います。iPhone&iPod touchのフルタッチインターフェイスに最適化する作業は、これまで方向キーと各種ボタンが固定されていたハードで制作を行ってきた我々に、毎回刺激的なチャレンジの課題を与えてくれます。結果、『ケイオスリングス』のあの移動方法が生まれました(大発明です!)ので、素晴らしいチャレンジができました。
ーー実際の開発期間は、どれくらいでしたか?
安藤:当初8か月の予定だったところが最終的に10か月強になりました。
●この移動システムは秀逸!
画面のどこに指を置いても、そこにスティックが表示され、キャラクターを移動させることができる。実際にプレイすると、ちょっと驚くくらい快適に操作できた。
※この文章は電撃ゲームス 5月21日発売号に掲載されたものです。