#tgs09 #tgs 『ニーア ゲシュタルト』担当ライター・サガコのプレイリポート(田中)
電撃ゲームスでもがっつり推していますが、個人的にも非常に気になっている、スクウェア・エニックスの『ニーア』。マイクロソフトブースにXbox 360『ゲシュタルト』がプレイアブル出展されるとのことなので、そそくさとプレイしに行ってまいりました。先日の開発インタビューでは、TGS出展バージョンの難易度は抑え気味だとは言っていたものの、そこはキャビア、というか『ドラッグ オン ドラグーン』スタッフ。なかなか歯ごたえのある難易度。周囲を見回すと、やはり隣の人もかなりガチでプレイしている模様……って、記事担当ライターのサガコじゃん! まあ、餅は餅屋ということで、サガコに『ニーア ゲシュタルト』をプレイリポートしてもらった。
■あーっ! 黒いのがっ。黒いのが、ぶっ……刺さるよーーー!!!
ひとつの物語に2人の主人公が存在する──。北米向けと日本向けで異なる主人公が戦う話題の作品『NieR(ニーア)』。今回のTGSではXbox 360の『ニーア ゲシュタルト』がマイクロブースにプレイアブル出展されていたので、さっそく遊んでまいりました。それにしても、アレですね。TGSのプレイアブルを遊ぶ時っていうのは、いつも独特の緊張感に胸が締め付けられます。人気タイトルともなれば1回プレイするのに、何十分と並ぶわけです。他に見たいのもあるから、同じゲームを何度も並んでプレイするわけにもいかない。となると、必然的にぶっつけ本番。一発勝負。舞浜のテーマパークで人気のアトラクションに並ぶのとは、心構えからして違ってきます。これが何年たっても慣れませんね。前の人のプレイを食い入るように見つめ、コントローラーの説明書きまで後ろからガン見状態。いかに説明を読む時間を減らし、プレイする時間を長く保つか──。そこに全身全霊を傾けます。
いよいよ自分の番! ムダに汗ばむ両の手。ああ、どうしよ、すぐ死んじゃったら!! こんなに並んだのに! 「おまけでもう一回ね♪」なんて誰も言ってくんないよ!? そんな変なプレッシャーに、身を焼かれる私。
……前置きが長くなりました。
そう! 『ニーア』です。『ニーア ゲシュタルト』!
本作は謎の病「黒文病」に蝕まれた娘を救うため、マモノを屠(ほふ)る戦いに身を投じた父親の物語。プレイヤーは主人公のニーアとなり、剣と魔法を駆使しながらマモノを倒していきます。ちなみに本作を製作しているスクウェア・エニックス×キャビアとくれば、PS2で発売された『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』シリーズを思い浮かべる人も多いかと。『ニーア』のバトルシステムも、基本的な部分は『DOD』とよく似ています。しかし、スピード感や迫力は格段にパワーアップ!! そして世界観を的確に表現したビジュアルに、まさしく度肝を抜かれたという感じでした。
■大のオトナが、プレイアブルで超ガチ!
今回用意されたマップは、じつにシンプルなもの。中ボス的な大きめのマモノ2体が配置された部屋の中で、それらを倒し、娘のヨナを救いだすべし。バトルの基本をユーザーに触ってもらおうという趣向らしい。なんだー、楽勝じゃん。
……と思うでしょ? 思うでしょ?
結論から言うと。
む・ず・か・し・か・っ・た・ぜ!!
足元に群がるザコ敵を、まずは剣でひたすら薙いでいきます。ボタンを連打するだけでもコンボがつながるので、とっても軽快。大剣なら動きは重いけれども破壊力抜群。対して片手剣であれば、攻撃を出すスピードが速い代わりに、攻撃力がやや低い。バトル中に自由に切り替えられるので、戦局やマモノのタイプに合わせて、武器を持ちかえるのがよさそう。また、剣と同様、魔法もボタンにセッティングして放つことができます。自らの周囲に防御壁のようなものを張る魔法から、敵に向かってホーミングするミサイルのような魔法など、多くの種類が存在。2つのボタンにそれぞれ1種類ずつ魔法をセットできるようなので、こちらも戦況に応じてセッティングを変え、マモノのタイプに応じた魔法を選ぶ必要がありそうです。そんなわけで、剣と魔法の操作に慣れつつ、ザコをひととおり倒したらば、中ボスマモノのうちの1匹が、こちらに向かって本気モードでやってきました!画面下に相手の体力ゲージが表示され、いきなり増す緊張感。剣で切りつけるも、ゲージはなかなか減らず……。コンボを決めようとするのですが、もろに反撃に反撃を食らってばかり。と、ここでスタッフの方からアドバイス。「回避や防御を使ってくださいね。あと、回復薬も!」。ああ! おお! 説明書きを読んだはずなのにすっかり忘れてました、回避と防御! トリガーで防御したり、回避したり。これでだいぶダメージを受ける回数が減ってきました。敵がスキを見せた瞬間に、ジャンプで斬りかかり、さらにコンボで連撃を叩きこみます! すると、敵がダウンし、無防備な状態でさらに追い打ちをかけることが可能に!! うおー! 今だぁぁぁ!! ここぞとばかりにボタン連打!! ダウンした敵の上には、時計のようなものが表示されていてダメージを与えれば与えるほど針が進み、ぐるりと一周回ったかと思ったその時。
突然画面が切り替わり、爽快感満点のムービーが来たーーーーー!!
ニーアの手に黒いものがどんどんと集まってきて、それがニーアよりも大きな槍に形を変じたかと思うと、彼はその屈強な腕を振りかざし、ズッドーンとマモノに向かってそれを投げ放ったのです。もちろん、相手は大ダメージ!!
やった! この調子ならカンタンにもう1匹にも勝てるでしょ!?
そうやって浮かれた私がバカでした。回復薬も使い切り、今ひとつ魔法を使った有効な戦法を見いだせなかった私は、1匹目をゴリ押しラッキーでやっつけたはよいものの、動き出した2匹目のマモノにあっけなくやられてしまったのです。んがー! くやしい!! ガチでがんばったのに!! プレイ中、コントローラーを握った手が、思わず右や左に動くほど夢中になってたのはナイショだよ!!
■『DOD』に登場した、武器も登場!?
そんなわけで、わりと歯ごたえ満点だった今回のプレイアブル。これがハード設定なのか、ノーマル設定なのかが気になるところです。実際にはゲーム開始時に難易度設定ができる仕様になるそうなので、どうぞご安心を。スタッフさんに尋ねたところ、おもにストーリーを楽しみたい、アクションが苦手なユーザーも、やり込みタイプのコアユーザーもどちらも納得できるよう、時間をかけて難易度を調整したいとのことでした。しかし実際にプレイしてみると、この「歯ごたえアリアリ感」がたまらない感じ……。「ゲーム遊んでるぞ!」という感覚がヒシヒシ感じられる、そんなゲームのように思えました。剣をふるうとアクションになり、時として魔法を使うとシューティングゲームのようにも感じられる。タイプの違う戦い方を組み合わせて戦うおもしろさは、なかなか奥が深そうです。
ちなみに武器の選択画面には見覚えのある剣の名がちらほら……。こ、これ、『DOD』シリーズに登場した、あのいわくつきの武器たちではないですか!!
まさか世界がつながってる……それともただのお遊び要素……? あああ。いろいろ気になりすぎる! ゲームオーバーの画面になり、グルグルする頭を抱えながらプレイアブルブースを後にすると、ちょうど背後にあったSCEブースの大きなモニターでPS3『ニーア レプリカント』のムービーが上映されていました。同じような世界、異なる主人公、兄と妹、両性具有の若者……。謎は深まるばかりです。
ゲームシステム的にも、ストーリー的にも奥が深そうな『ニーア ゲシュタルト』と『ニーア レプリカント』。
本作に興味を持たれた方は、ぜひ発売中の「電撃ゲームス」にて、開発者インタビューをご覧ください。実におもしろそうな、絶望と希望の香りが、匂いたつ……そんな記事が読めるはずです。
(サガコ)