力尽きました。
あ、あれ？ さっきは5分とかからなかったというのに、今度は5分とかからずに僕が力尽きていました。あきらかに油断したということなのですが、それにしても早い。おかしい……。屈辱的なネコタクに揺られながら考えましたが、その理由は判然とせず、とりあえず秘薬を飲んで駆け出し、エリア6に入るところで強走薬グレートを飲みました。少しでも効果時間を稼ごうというせこさの表れですが、そのせこさが幸いしたのか（いや、してないから）、エリア6で出会った2
頭目が、それほど時間も経っていないうちに足を引きずり、やはりエリア3に逃亡しました。エリア3に駆け込むと、たいていの場合、ポポがこっちに向かってきてぎょっとするのですが、それも慣れました。華麗に（でもないですが）ポポを避けてシビレ罠をセット、捕獲しました。ただ、落ち着いてみると僕の体力はだいぶ削られていました。なんとなく釈然としない気持ちのまま、ゲキ
リュウノツガイを研ぎ、回復薬グレートを飲み、各種調合も終えて、3
頭目を待つためにエリア8に向かいました。
力尽きました。
な、な、なにー！ さすがに5分と経たずに……ではありませんでしたが、3
頭目と相対してからまだそれほど時間も経っていない段階で、僕は2落ちしていました。なぜだ？ 確かに多少、攻撃を喰らっている気はするけど、それほど痛いものはないはずだ……。
後から思うことは、いくらでもできます。あの時こうすればよかった、こうしていたらきっとうまくいったはずだ……人生は後悔の連続で、そしてその苦さを忘れられるからヒトという種は人間なのです。なんてね。今、原稿を書いている僕は思っていますが、2落ちしてキャンプに戻った僕が考えていたことは、ク
エストのクリアでした。先にも書いた通り、2
頭目を捕獲した時点で支給品が届いています。ネコタクチケットはそこにあります。これを納品すればク
エストはクリアです。しかし、2頭です。ク
エストクリアの最低条件で終わっていいのか？ なんかカッコ悪くない？ 余計な考えが頭に浮かびました。しばらく青いアイテムボックスを眺めました。ただ、そこに僕の運命が映し出されるわけもなく、そして2落ちさせられていたにもかかわらず、その時はまだ、僕はドドブランゴに対して根拠のない自信を持っていました。
再び雪山に駆けのぼり、ドドブランゴに斬りかかり、僕は力尽き、あろうことかク
エストは失敗に終わりました。
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