ぶらり二人旅　～新幹線無情！金火竜事件（最終回）

モンスターハンターポータブル 2nd
PlayStationPortable
2007年02月22日発売
投稿者の評価: 200点

（前回から続く）「おはようございます」。翌朝6時半、男塾先輩からのモーニングコールで目が覚めました。どうして先輩は朝から投げやりな、まったくもってさわやかさに欠ける口調なんだろうか……。そんなことを思いながら、二度寝してやりました。次に起こされたのは午前7時過ぎ。7時49分発の新幹線に乗り込まなければ、14時からの編集会議に間に合いません。もちろん、間に合いましたよ。20分近く前に博多駅に到着しました。そんなにあせんなくてもよかったじゃねぇか！さぁ！　さぁ！　ゴールドルナシリーズ完成まで、残るはあと、雌火竜の紅玉2つだけです。これを手に入れるためには「幻の金竜を探して」だけではなく、他の上位のリオレイアを倒してもいいのですが、「幻の金竜を探して」の場合、敵がエリアチェンジしませんから、かなり戦いやすい。やっぱそれでしょう！　いくよ、先輩！　俺たちのコンビネーションは完璧だ（いや、僕は尻尾しか斬ってませんが）今日も朝からがしがし狩るよ……って、あれ？　寝てる。しかも、買ってきた弁当も飲み物も、封も切らずに先輩は熟睡しています。確かになぁ、2時までだったもんなぁと思いながら、僕も断続的に眠ってしまいました。しかし！　しかしです。物欲とは本当に恐ろしいもので、30分も眠ると、自然と目が覚めてしまいます。そのたびに、なんとなく素材ツアーなど回っていたりしたのですが、いつのまにか新幹線は新大阪を過ぎていました。東京まで、残り、2時間半。さすがにあせった僕は、あろうことか、単独でリオレイア希少種に挑むという暴挙に出ました。もちろん、勝てませんでした。いくらリオレイアの動きが多少、読めるとはいっても、希少種の攻撃力はハンパではありません。油断しているつもりはないのですが、サマーソルトと突進を連続で喰らったりして、どうしても力尽きてしまうことが続きました。しかも、怒ると、本当に痛い。また、気持ちばかりが前のめりになっていた僕は、「攻撃はがまん」という電撃攻略本編集部の陛下の教えも忘れ、今一歩、もう一撃を踏み込んでしまい、あえなく敗れ続けました。 12時半。東京着まで残り30分というところで、先輩は目を覚ましました。さすがに5時間も眠っていたので、顔に生気が戻っていました。僕はというと、何度も何度もクエスト失敗を繰り返し、逆に疲労していました。それでも物欲だけはびんびんですから、指と眼は一瞬もじっとしていません。「狩りますか？」。いつもの力強い先輩が戻ってきていました。画面の中に、ガオレンズベルとフルフルUシリーズを装備した勇姿が見えます。風圧完全無効、強走効果【大】、龍耐性【大】、そして広域化+2のsenpaiさんです。もう二度と、sanpeiさんなんて言いません。だから、助けてください。品川を過ぎるころ、目的を達成しました。しかし、残念ながら、雌火竜の紅玉は、1つも手に入りませんでした。こんなものなのか……「MHP 2nd」とはなんと厳しいゲームなのか。2日間をかけた激闘の果てに、たった2つのアイテムが手に入りません。あぁ、そういえば昔、「ウィザードリィ」でムラマサを探していた時も、こんな気持ちでした。あの時も……。「紅玉、出ました？」。先輩が聞いてきました。出なかったと告げると、笑いながらPSPの画面をさしだしました。雌火竜の紅玉があります。それも、2つ……。「そんなもんなんですよ」。どんなもんだと言うんだ！　声を荒げそうな衝動を覚えましたが、瞬間、気が遠くなるような疲労感に襲われ、僕は無言でPSPをスリープ状態にしました。2日間をかけた激闘の果て、僕にはたった2つのアイテムが手に入らず、そんなものは要りませんよという先輩に、いたずらな運命の女神は微笑みました。なんと残酷な結末。「さぁ、眠りなさい、疲れ切った身体を……」。まるでなにか、悪夢のようなコントの終わりのように、僕の頭の中に懐かしい歌が流れました。