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（前回から続く）
先輩がそこまで万全な備えできているのですから、僕に残された役目はシビレ罠を仕掛けることと、尻尾を切り落とすことくらいでした。何度も何度も大ダメージを受け、力尽きたりもしながら、それでも毎回、尻尾を切り落とすというミッションを果たすことはできました。無謀に突っ込んでいっても、先輩が回復してくれますからね、ある意味、それを計算に入れているかのように見える単純に力押ししたがるダメなプレイでしたが、まぁ、なんとか。下位の
リオレイアなら連戦連勝というくらいにまでなっていましたから、上位といえども、ある程度、動きは見えます。回復に意識を回すことなく、尻尾にだけ集中して斬りつければ、まぁ、それくらいはできて当然というか、それしかできないのかというかorz いずれにしても、ク
エストは順調に進みました。
ゴールドルナシリーズをすべてそろえるのに必要な素材は、まず、金火竜の堅殻が16個、金火竜の上鱗が17個、これが基本になります。この2つは、けっこう大量に手に入るので、倒しさえすれば、まぁ、いいでしょう。問題は火竜の延髄（1個必要）、雌火竜の逆鱗（2個必要）、雌火竜の上棘（2個必要）、雌火竜の紅玉（5個必要）です。これらはなかなか手に入りません。ただ、2回もクリアすると、まず金火竜の堅殻、金火竜の上鱗はかなり手に入りやすいということがわかりました。また、雌火竜の紅玉、雌火竜の逆鱗も、1つずつ手に入っていました。2回でこれです。1回あたり、10～15分でクリアしていました。
これはもしかすると、福岡に着くまでにそろってしまうのではないか。
そう思った矢先です。サマーソルトを喰らって毒った先輩が、回避行動はおろか、身動きすらせずにそのまま突進に轢かれているではありませんか。ちなみに男塾先輩のキャ
ラクターは「senpai」です。これがどうしても「senpai」（センパイ）ではなく、「sanpei」（サンペイ）に読めてしまうのは僕だけでしょうか？ そのsanpeiさんが、まったくもってなすすべもなく力尽きました。まさか！ そんなバカな！ あまりの驚きに油断した僕も、つられて力尽きてしまいました。すでに一度、僕が力尽きていたので、これでク
エストは失敗しました。
「すいません、限界です」。なんと、先輩はク
エスト中に眠ってしまっていたのです。リアル先輩が眠ってしまったのですから、sanpeiさんになにができるでしょうか。先輩は前日、雨の中、サッカー観戦を強行し、そして編集部では一睡もせずに新幹線に乗り込んでいたのです。寝落ちしても、無理はありません。気を取り直して再挑戦したい気持ちは山々でしたが、福岡に着くと1時間もしないうちに取材がはじまります。さすがに強くは言えず、僕はそのまま先輩を寝かせてやり、一人でちくちく素材ツアーを続けました。
（第4回に続く）
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