ちょっと軽率な反応をw

では、ちょっと軽率に反応させていただきます。「では」というのは、ここ数日、同じネット上の記事のことを、いろんな人から指摘されたので、「それでは」という意味です。そして、反応するのは、以下の記事についてです。 【知はうごく：コンテンツ力（７−３）日本の戦略】 いまいちよくわかっていないのですが、これは産経新聞さんがネットと誌面の連動企画として展開されている知的財産についての特集企画「知は動く 文化の衝突」の一部だそうです。ごめんなさい、産経新聞読んでないんで、よくわかりません。たぶん今回が7番目の企画記事で、その3番目の記事が、これ、ということなのだと思います。一部、記事を引用させていただきますが、「平成15年に内閣の知的財産戦略本 （中略） 同調査委メンバーの東京大学大学院の浜野保樹教授は、内外で攻めの国策を展開する必要性があるという認識だ」。ということで、記者さんと浜野教授のやりとりが掲載されています。 この記事の中の、以下の部分について、「なんなんだろうね」と、そういう声がありました。 ゲームについては、ぼくは異論がある。アニメや漫画は感動をもたらすけれど、ゲームは、お金だけ持っていって、子供の時間奪ってますね。その人生にプラスアルファがない。宮崎さんとか他のアニメ見て、人生変わったという人はいると思います。心ふるえるほどの感動とか、ゲームは若干難しい。ビジネスとしてはいいかもしれないが、恨みをもたれる。かつてのエコノミックアニマルのコンテンツ番みたいにね。敬意も払ってくれない これは浜野教授の御発言だそうですが、現実に教授がどうおっしゃったかは、僕にはわかりません。新聞やTVで報道されていることの、すべてが真実であるとは思っていないのでw　記名原稿なら、信用もできるのですが。まぁ、そこは譲って、これが本当の御発言だとすれば、残念なことだとは思います。 ただ、ふと調べてみたのですが、確かに内閣には知的財産戦略本部というのがありまして、さまざまな委員会があり、議論がなされています。その中に確かにコンテンツ専門調査会というものもあり、先月、3月8日に第9回委員会が開催されています。その議事録は、首相官邸のホームページで読むことができます。これを読んでみたのですが、浜野教授は別にゲームを敵視したり、蔑視したりするような御発言はされていません。むしろ、御自身の持論に従って、このように発言もされています。 海外で評価されている人の顕彰が日本国内で後手になっています。アメリカで1998年にゲームの殿堂の制度がつくられたときに、宮本茂さんが第1号に選ばれました。フランスでは大統領候補のロワイヤルさんをはじめとして日本のアニメーションを激しく批判するインテリが多いわけですが、「AKIRA」の大友克洋さんにフランス政府は最近勲章を与えています。そのように、ブランディングは時機を逃さない顕彰事業を不可分なのですが、日本では死ぬ直前になって勲章をあげるという、まずい状態になっています。早期の改善が必要です。 ちゃんとアニメとゲームを同列に論じられているようです。 まぁ、あれです。僕のちょっと軽率な反応としては、浜野教授はきっと、あまりゲームをプレイされないのかなぁと、そう思ったというくらいです。その教授の、もしかしたら個人的な感想が、たまたま産経新聞さんの記事になっただけではないかと。別に浜野教授を擁護するとか、どうこうというつもりはないのですが、コンテンツ専門調査会の議事録を読む限り、教授は特別、ゲームを軽視されているということはなく、むしろ、専門のお立場から評価されていると言えるのではないかと思います。 まぁ、最大の問題は、このコンテンツ専門調査会でゲームを論じるのであれば、事前に僕たち、ゲームメディアや、あるいはゲーム流通さんに取材して、意見を汲み上げてほしい。大所高所からものは言えませんが、おそらくは世界中どこを探しても、僕たちほど長時間、職業としてゲームをプレイし、職業として評価し続けている人間はいないのですから。