- クィーン
- 出演:ヘレン・ミレン
- 2007年04月14日発売
- 投稿者の評価: 154点
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(C)2006 GRANADA SCREEN (2005) LTD/PATHE RENN PRODUCTION SAS/BIM DISTRIBUZIONE
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ダイアナ元王妃の不幸な事故に、ある意味、振り回されたと前提して、英国王室とブレア首相(当時)らの対応が描かれる今作……と、回りくどい書き方をしてしまうのは、やはり「王室」が舞台であり、僕が日本人だからなのだと思います。
ゲーム雑誌の編集長ですからね、映画なんか門外漢で、もう、なんでも書いていいはずの立場なんですが(微妙に違う?)、題材が題材だけに、つい……。
と、思ったのですが、劇中に描かれる英国王室のみなさまの暮らしは、あまりにも普通です。普通ではないのは、避暑地の広大さくらいで、あれだけ広い場所であることを考えると、使用人の数なんかも普通に思えますし、女王が自ら(それも一人で!)運転して敷地内を走り回ったりするあたり、かなり違和感を覚えつつ、親近感も感じました。
本当に英国王室というのは、こういうものなのだろうか? 今さらのようにちょっと勉強しようかなと思ってしまうくらい。やっぱり日本の
天皇家とは違うのでしょうね。
個人的にダイアナ元王妃の事故については興味がないので
(ゴルゴ13に、その事故を描いたエピソードがあるなぁ……というくらい)、ひたすら
エリザベス女王にばかり目が向いていたのですが、この女優さん……すいません、お名前は失念……の演技はすばらしかったです……とか言っていたら、アカデミー主演女優賞ですって? さもありなんという感じです。これだけ高貴なおばあさんを演じるのは、なかなか難しかったと思います。ややもすると説明不足かなと思わせるシナリオなのですが、彼女の演技、電話の切り方の1つ1つが、シチュエーションの意味を表現して、観る者の心に蓄積されていきます。それに比べると、ブレア首相の描き方はチープだった気がしますが、対比としてはよかったかと。
特にこんな人におすすめということはないのですが、映画好きな方ならどなたでも。
実際、映画館は満員御礼で、整理券がなければ観られないほどでしたから。それも、若い方から御年配の方まで、老若男女問わず、入ってました(子どもはいなかったかな、さすがに)。安心して観ていただける1本ではないかと思います。