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【鎌倉NIPPON 11 INTERVIEW】不在 |
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※写真はイメージです。記事の内容とは直接関係はありません。
@appbank:倉西さん、今日の記事、読みました? ほんとにいい記事が公開されてるんですよ。
ーーん? どれ?
@appbank:宮川さんのヤツ(
※)。
※WWDCへ殺到する開発者達 後日レポート
ーーあ、ごめん、まだ読んでない。
@appbank:あれは読まなきゃダメです。
@entrypostman:宮川さんが寄稿してくださったんですが、本当にいい記事です。
WWDCにやってくる日本人が減った、という話なんですが。
ーーえ? 減ってるの? 日本にいてジョブスのキーノートなんか見てると、ずいぶんもりあがってたように感じたんだけど。
@entrypostman:減ってるそうです。私たちの経験からいっても、今、日本の
デベロッパーは元気がないです。たとえば、
iPhoneの交流会のようなところによく行くんですが、1年前は大変でした。参加者は全員、首から
iPhoneをぶら下げていて、「お!
AppBankの人? 俺のアプリを見てくれよ!」って、全員が自分で開発したアプリを見せてくれました。「見てくれ! 書いてくれ!」って。そういう人たちに取り囲まれたり、行列ができたり、とにかくすごい熱気でした。それが今年、似たような交流会に行っても全然です。
@appbank:アプリの話すらしないよね。
@entrypostman:そう。まず、首から
iPhoneを下げていません。それで会場の壁際に集まっていて、聞こえてくるのは「どうですか? いい話ありますか?」というような声ばかりです。
@appbank:日本の
デベロッパーは今、元気がないよね。印象としてはまるでロボットがアプリを作ってリリースしているみたいな、そんな感じです。
@entrypostman:大手もインディーズも、日本の
デベロッパーがどんどん消えていくんじゃないかと思って……。
@appbank:日本のインディーズはなくなりかけてるよね。
ーーこのまえ、RucKYGAMES君と話したんだけど、確かに気がついてみると、ずっとゲームアプリをリリースし続けてる個人のデベロッパーって、RucKYGAMESとスタジオルーペしかいないんじゃないかって。
@appbank:倉西さんが手塩にかけている
RucKYGAMES(笑)
ーーかけてない(笑) それはともかく、なんでそんな話をしたかというと、電撃ゲームスのiPhone連載はできれば日本のインディーズゲームを応援したいと考えていて、いろいろ探してみたんだけど出し続けてるって人は確かにいないんだよね、あの二人を除くと。ゲームを出している人はいるんだけど、1本だけしか出してない。月刊誌なんてオールドメディアだからこそおもしろい表現として、できればそういうクリエイター、デベロッパーを紹介していきたいと思ったりもするんだけど、それができない。
@entrypostman:なにかアプリを出して、残念ながらコケたとしますよね。そうするともう1本でおしまいということが多いですね。個人開発者の場合はコケても次を作ろうという、いろいろな意味での根性がないです。また、企業の場合はクリエイターが作りたいと思っても会社が作らせてくれないということもあるでしょう。
ーー大手メーカーの場合は、会社だからね。クリエイターがゲームを作ってそこそこ売れればプロジェクトとしてはそれほどひどい赤字にもならないんだろうけど、固定費が大きいから、数百円という価格でアプリを売ってたんじゃ、どうしたって会社規模では赤字になるだろうなぁ。
@appbank:B to Bの方向に行って成功した人はいるよね。
ーーケータイはどうだろう? iPhoneアプリのゲームが、ケータイに移植されたりしてるよね、最近。あれはビジネスとして成り立たないんだろうか?
@appbank:そういうこともあるかもしれませんが、まだ極一部ですよね。「
iPhoneなんて売れっこない」とタカをくくっていたケータイ系の人たちが、最近になって「
iPhone売れてんじゃん!」ということになって、アプリを物色しているという段階じゃないでしょうか、まだ。
@entrypostman:でも、今回の
iPad発売に、大手のゲームメーカーはバシッとあわせてきましたよね。専用アプリを出したり、ユニバーサルアプリにしたり、それはさすがだなと思いました。
ーーあぁ、それはそうかもしれない。
@entrypostman:私、思うんですけど、今、日本の
デベロッパーは戦場で棒立ちになっている状態じゃないでしょうか。
iPhoneアプリ市場という戦場で。そこは銃弾飛び交う激しい戦場で、どうすれば勝てるのかわからないんだけど、ここで勝てれば世界的な成功が約束されている。だから戦場にはきてみたんだけど、思うようにはうまくいかなくて、どんなアプリを出せばいいのかもわからなくて、呆然と立ち尽くしているというイメージです。だからこそ、これか! というような大ヒットアプリがぽん! と出てくる土壌はあるんだと思うんです。誰もアプリのリリース自体ができていないんですから。逆に可能性は高いんです。日本の
デベロッパーは熱くなれ! これが一貫して変わらない私たちの主張です。
@appbank:以前ヒットしたアプリの二番煎じでもいいのに。それでも絶対儲かりますよ。
@entrypostman:「Angry Birds」出せばいいんですよ。
@appbank:アプリ全体のレベルや機能は上がってますから、そこは無理にそれ以上のものを作る必要はないと思うんです。より多くの機能をもり込もうとするんじゃなくて、演出です。遊んで楽しい、使って楽しい、触って楽しいと感じてもらえるような演出です。
iPadの影響もあって、最近また女性ユーザーが増えてますから。チャンスは広がってるんです。
ーー話は変わるけど、iPad、売れてるね。電子書籍系はどうなんだろう?
@appbank:売れている感じがいいですね。今まで
iPhoneアプリを支えてきた人たちはゲームを買って、意見を言ってきた人たちです。声の大きな人たち、ネットなんかではっきり意見を言う人たちの多くが、ゲームについて語ってきたと思います。同じことが、
電子書籍にも言えます。
iPadが発売されて、
電子書籍系アプリが出てきて、今、多くの人がいろいろ意見を言ってますよね。その感じがいいんです。
@entrypostman:「適当日記」読みました? おもしろいですよ(笑)
@appbank:たとえば「
産経新聞」も広告がiAdでダイナミックなものになったりすると、見え方がまったく変わります。「ITメディア」のアプリや、今回のワールド
カップで出てきた「南ア・ワールド
カップ Daily Magazine」のような、書籍とは違う、雑誌のような方向性もありますよね。そっちも楽しみです。
※このインタビューは2月22日にアップルストア銀座で行われたプレゼンテーションの内容を前提に、6月14日に行われたものです。プレゼンテーションに関しては、以下の記事を参考にしてください。
【AppBank】昨日のイベントの全つぶやき! なっがいなぁ、しかしw
2月22日に行われたAppleStore銀座店AppBank講演資料その1
2月22日に行われたAppleStore銀座店AppBank講演資料その2
2月22日に行われたAppleStore銀座店AppBank講演資料その3
※この文章はmobile ASCII掲載「鎌倉JAPAN」の取材記として書かれています。内容は、倉西自身の主観に基づくものです。