【MHP 3rd】『MH』シリーズが目指してきたものと『3rd』が目指しているもの（その21）（野村） #MHP3
3本柱で構成される
『MH』シリーズのコンセプト
（その20からの続き）
――今回、お話をいろいろお聞きして、『3rd』においても『MH』シリーズというものが明確な基準として存在することが、とてもとても強く印象に残りました。『3rd』の開発が着々と進む現在、お2人が一番大事にしている『MH』シリーズらしさはどの部分にありますでしょうか？ まずは一瀬さんからお答えいただき、最後に辻本さんにお答えいただければと思います。
一瀬：『MH』シリーズらしさが何かというところで、僕が最も重視しているのは、プレイヤーとモンスターのやりとりの部分です。そこからすべてが始まっていると思ってもらえれば。プレイヤーとモンスターのやりとりが楽しくなければACTとして成り立たない。そして、ACTという部分に限らず、モンスターとプレイヤーの関係というのはすごく大事なもので、これがないと何も始まらない。モンスターありきで、ハンターの生活がすべて成り立っているわけですよ。モンスターの素材があるから防具が作れたり、武器が作れたり、次の段階に進むステップが構築できたり。
一瀬：さらにいうと、モンスターはたくさんいるわけですが、それがどんな順番で出てくるか、その構成もすべてモンスターがカギを握っている。このモンスターを狩ったから毒属性の武器が作れるとか、ちゃんとそいつを狩ったからその素材が入手できて、それを使って作る武器だからこそリアリティのあるものが用意できて。そうしたことがゲームと直結するところも、すごく『MH』シリーズらしいと考えています。これは、プレイヤーのモチベーションにもつながっている部分でしょう。モンスターが軸にあって、それに絡むプレイヤー＝ハンターも、モンスターと同格でとても大切な存在である。この2つが組み合わさって『モンスターハンター』というタイトルの名称が構成されているわけですし、このことからもモンスターとハンターの重要性がわかっていただけると思います。
辻本：遊びの自由度の高さ。それは『MH』シリーズの根源です。そして、本格派ACT。これは『MH』シリーズの外せない部分です。さらにもう1つ、協力プレイ。これも『MH』シリーズにとって重要なファクターです。この3本柱が『MH』シリーズのコンセプトになっていて、これらを合致させて表現を変えると「誰でも参加できるネットワークアクション」となります。“誰でも参加できる”という部分は、前にお話ししたユーザー層を特定しないということにつながるわけで、“ネットワーク”という部分は、マルチプレイだったり協力プレイだったりに言葉を置き換えられますが、根本は変わりません。“アクション”の部分は、納得できるアクションじゃないと、ゲームとして成立しないという、これもまた根源的な部分にあたる大切な部分です。“やられても勉強になる”、だから“次の対応を考えられる”。ここは、ACTとしてとても重要なことだと思っています。
――プロデューサーという立場から見て、この3本柱は『3rd』でクリアできていると思いますか？
辻本：自信を持って、もちろんと言えます。
――その一言で、さらに『3rd』への期待感が増してきました！ 1人のユーザーとして、ありがとうございます!! さて、続いての質問です。『MH』シリーズは据え置き機と携帯ゲーム機の両方で展開されているわけですが、ハードの違いによって、コンセプトや作り方が異なることはありますか？
辻本：『MH』シリーズ全体のコンセプトは先ほどの3本柱から変わりません。据え置き機は家でプレイするものなので、どっしりと構えて時間を作ってプレイできるという部分がすごく大きく、ゲームとして細切れじゃない作り方ができます。長期的にプレイすることを前提にできるわけですから、今日はこれだけのことをしたから、明日はまた、これだけのことがしたいよね、といった感じで継続的な観点で世界観とかストーリーを描きやすいですし、ゲーム進行という部分でも大きな流れを作りやすいんです。でも携帯ゲーム機だと、どうしてもそうはならなくて、10分や15分のちょっとした移動時間でも、ぜひゲームを立ち上げてもらいたいと考えます。据え置き機では『MH』シリーズを深く広く作る感じになり、携帯ゲーム機ではクエストのクリアというシンプルさを全面に出しつつ、クエストをどんどんこなしていくという、シンプルな目標を積み重ねていくことが楽しくなるような作り方をしていますよ。
（その22に続く）
※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。
（その20からの続き）
――今回、お話をいろいろお聞きして、『3rd』においても『MH』シリーズというものが明確な基準として存在することが、とてもとても強く印象に残りました。『3rd』の開発が着々と進む現在、お2人が一番大事にしている『MH』シリーズらしさはどの部分にありますでしょうか？ まずは一瀬さんからお答えいただき、最後に辻本さんにお答えいただければと思います。
一瀬：『MH』シリーズらしさが何かというところで、僕が最も重視しているのは、プレイヤーとモンスターのやりとりの部分です。そこからすべてが始まっていると思ってもらえれば。プレイヤーとモンスターのやりとりが楽しくなければACTとして成り立たない。そして、ACTという部分に限らず、モンスターとプレイヤーの関係というのはすごく大事なもので、これがないと何も始まらない。モンスターありきで、ハンターの生活がすべて成り立っているわけですよ。モンスターの素材があるから防具が作れたり、武器が作れたり、次の段階に進むステップが構築できたり。
一瀬：さらにいうと、モンスターはたくさんいるわけですが、それがどんな順番で出てくるか、その構成もすべてモンスターがカギを握っている。このモンスターを狩ったから毒属性の武器が作れるとか、ちゃんとそいつを狩ったからその素材が入手できて、それを使って作る武器だからこそリアリティのあるものが用意できて。そうしたことがゲームと直結するところも、すごく『MH』シリーズらしいと考えています。これは、プレイヤーのモチベーションにもつながっている部分でしょう。モンスターが軸にあって、それに絡むプレイヤー＝ハンターも、モンスターと同格でとても大切な存在である。この2つが組み合わさって『モンスターハンター』というタイトルの名称が構成されているわけですし、このことからもモンスターとハンターの重要性がわかっていただけると思います。
辻本：遊びの自由度の高さ。それは『MH』シリーズの根源です。そして、本格派ACT。これは『MH』シリーズの外せない部分です。さらにもう1つ、協力プレイ。これも『MH』シリーズにとって重要なファクターです。この3本柱が『MH』シリーズのコンセプトになっていて、これらを合致させて表現を変えると「誰でも参加できるネットワークアクション」となります。“誰でも参加できる”という部分は、前にお話ししたユーザー層を特定しないということにつながるわけで、“ネットワーク”という部分は、マルチプレイだったり協力プレイだったりに言葉を置き換えられますが、根本は変わりません。“アクション”の部分は、納得できるアクションじゃないと、ゲームとして成立しないという、これもまた根源的な部分にあたる大切な部分です。“やられても勉強になる”、だから“次の対応を考えられる”。ここは、ACTとしてとても重要なことだと思っています。
――プロデューサーという立場から見て、この3本柱は『3rd』でクリアできていると思いますか？
辻本：自信を持って、もちろんと言えます。
――その一言で、さらに『3rd』への期待感が増してきました！ 1人のユーザーとして、ありがとうございます!! さて、続いての質問です。『MH』シリーズは据え置き機と携帯ゲーム機の両方で展開されているわけですが、ハードの違いによって、コンセプトや作り方が異なることはありますか？
辻本：『MH』シリーズ全体のコンセプトは先ほどの3本柱から変わりません。据え置き機は家でプレイするものなので、どっしりと構えて時間を作ってプレイできるという部分がすごく大きく、ゲームとして細切れじゃない作り方ができます。長期的にプレイすることを前提にできるわけですから、今日はこれだけのことをしたから、明日はまた、これだけのことがしたいよね、といった感じで継続的な観点で世界観とかストーリーを描きやすいですし、ゲーム進行という部分でも大きな流れを作りやすいんです。でも携帯ゲーム機だと、どうしてもそうはならなくて、10分や15分のちょっとした移動時間でも、ぜひゲームを立ち上げてもらいたいと考えます。据え置き機では『MH』シリーズを深く広く作る感じになり、携帯ゲーム機ではクエストのクリアというシンプルさを全面に出しつつ、クエストをどんどんこなしていくという、シンプルな目標を積み重ねていくことが楽しくなるような作り方をしていますよ。
（その22に続く）
※インタビュー全文は電撃ゲームス 4月23日発売号に掲載されています。
