さすが美術系アプリといいますか、タイトル画面もいいですね。たぶんポスターのデザインを使ってるんだとは思うのですがw 5月26日から、
国立新美術館で開催される同名展覧会(公式サイトは
こちらです)の専用アプリです。内容が大充実! というわけではないのですが、シンプルにまとまっていて好感が持てました、これ。ちょっとした規模の展覧会は、どんどんこういうアプリを出されるとよいのではないかと思います、まじめに。
| 展覧会全体が章立てになっているようで、アプリでもその構成が反映されています。カバーフローを使うあたり、いい感じですね。 |
| 個人的に好きなので(かっこつけてませんよ!w)セザンヌの章に入ってみます。1枚1枚の絵の全体が表示されるのは当然として……。 |
| もちろん拡大して部分を見ることもできます。 |
| 作品の解説をチェックしたり。このへんの動作もきびきびしていていい感じです。また、解説文自体も過不足なくまとまっています。 |
おもしろいのは音声です。章に入ったところから、その章を解説する音声が流れてるんですね、これ(画面左下にSoundのボタンがありますね)。展覧会ではコーナーごとにパネルになって
掲示されているようなヤツです。もちろんいい声(どなたのナレーションかはわかりませんでしたが)なので、思わず聴いてしまいます。
| 各章ごとの解説を読むこともできます。たぶんこれが、音声の原稿でしょうね。 |
| 画家ごとに年表で追うこともできます。 |
| 開催情報です。 |
最近、
iPadの登場もあって、
電子書籍/電子雑誌に関する議論が非常に活発です。そのこと自体はいいと思うのですが、いろんな論点、視点が乱立している。もうちょっと整理しないとなぁと現場の人間としても思うところですが、やっぱり一番興味が向くのは仕様です、ただいま現在、個人的には。乱暴に割り切ってしまえば、一般的な単行本はあるフォーマットに材料を流し込むだけですよね? 「狩られ道」とかorz なのですが、雑誌は違います。企画ごと、ページごとに見せ方を変えなければならない。あたまに「電子」がつくような企画でもそれは変わらないと思うんですね、やっぱり……いや、その先の形状もイメージはできつつあるんですが……。
というような視点でこのアプリを触ると、これも電子なんとかじゃん! と、無責任に言いたくなってきますw 金沢弁で言えば「これも電子なんとかんねぇけ」です(無意味)。たとえば今回はこの展覧会専用のアプリですが、アプリの名前を「
国立新美術館 for
iPhone」にしてしまって、ちょっとした展覧会のコンテンツをどんどん更新していったらどうでしょう? かつてセゾン美術館がART VIVANTという独自の美術誌を持ち、WAVEが同名のカルチャー誌を持っていたように、です。以前の試みは原価等のリアルなプレッシャーに押しつぶされましたが、
国立新美術館なら……?
そんなことを僕は考えてしまいましたが、そうでなくても、美術アプリとして純粋に楽しめます。ぜひ、チェックしてみてください。あ、もう一点。ちゃんと展覧会開始前にこういうアプリがリリースされたこともすごいと思います、はい。