#dgames #MH3 【モンハンフェスタ'09 福岡 弐拾八】Jast25's [倉西]
彼らが係員に案内され、予選のプレイエリアに進んでいきました。それに気がついた僕は、立っていた場所から数歩、前に出ましたが、そこで足が止まりました。とても近寄ることはできませんでした。いつのまにか、彼らのまわりには人だかりができていました。僕一人増えたところで、なんの違いもなかったでしょうし、初代全国優勝チームであるという時点で彼らはどうしても注目を集める存在で、そんなことにも慣れているだろうとも思いました。それでも、僕は足を止めました。彼らとの距離は、まだまだありました。ポケットからカメラを取り出して、光学ズームの限界までアップにして、シャッターを切りました。
1分32秒は、決して長い時間ではありません。その終わりは、やってきました。こんぺいさんが、がっくりとその場にしゃがみこむのが見えました。
「それでは、途中経過のタイムを発表します。第8位からいきますよ、第8位は、2分18秒、第7位、2分09秒……」。
帰ってきた! 教えて! 藤岡先生 モンスター生態講座が終わった後、予選の途中集計結果が発表されました。はっきり読み上げる宇佐美さんの声を聞きながら、僕は興奮が抑えられませんでした。途中経過とはいえ、福岡大会の予選通過タイムとして予想されたタイムより、ずいぶん遅いのです。集計時点での上位8チームのタイムが発表された中には彼らのタイムは入っていませんでしたが、仮に入っていたとすると第2位のタイムでした。あとで聞いて知ったのですが、この途中経過は、予選がおよそ半分終わったあたりで集計された結果だとのことでした。ということは? 暫定第2位につけていた彼らが予選を通過する可能性も高いということになります。
その後、会場内でモンハン下関集会所のみなさんや彼ら本人とも会い、この途中経過を伝えました。みんな、まず驚き、そして笑顔に変わりました。まだ決定ではありませんでしたが、たぶん……たぶん予選は通過するはずです。
それが確定したのは、モンハン模試の答えあわせが終わったあとでした。予選通過第4位。彼らは見事、予選を通過しました。
本番は、ラギアクルス討伐だったのかもしれません。全国大会進出がかかっていたのですから。ただ、僕はもう、決勝に不安はありませんでした。なぜか、無根拠に彼らの全国大会進出を信じていました。もちろん緊張もしましたし、どきどきもしましたが、予選の時よりはずいぶん気楽に(というのもヘンですが)見ていられました。そんな僕の気持ちの通り、彼らは落ち着いてプレイができていて、この日の決勝戦では最も安定したプレイ内容を見せてくれていたと思います。結果は、2分53秒で準優勝。見事、全国大会進出を決めてくれました。
決勝戦が終わり、福岡大会の会場となった西日本総合展示場をあとにしました。「うん、うん」と、なぜかうなずきながら。僕は絶対にスポーツライターにはなれません。自分が注目する選手、チームが試合に臨むたびに、こんな精神状態になるとしたら、これはちょっと耐えられません。そんなどうでもいいことを思いながら、小倉駅に向かう通路を、少し速足で歩きました。
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