2009年12月3日、「パワポケ12」発売。 [六]

20090922 パワポケ6.jpg※この文章は2006年5月に書かれたものです。ブログへの掲出も複数回目になります。写真と文章は関係ありますが、文中、説明はございません。 博多は入ってきたときと同じように勢いよく会議室を後にした。代わって入ってきたのはメインシナリオのプログラムを担当している岩崎。「パワポケ」に参加したのは「8」からだが、ゲームプログラムを職業にして20年という大ベテランは、他のスタッフとは違った視点で「パワポケ」を語りはじめた。 ゲーム開発は今や大チーム編成や分業化が進んでいて、極端なことを言うと自分が作っている部分が実際にゲームに組み込まれた時に、どう使われるのかわからないということもあるんです。そういう点では「パワポケ」チームは人数が少ないので、自分の仕事がどのようにゲームになっていくのかよくわかりますし、やりがいがあると言えると思います。わいわいがやがやとみんなで話をしながら進んでいって、いつまにかゲームができているという感じです。古い体質の開発チームですね。ゲーム開発は自己表現の場だと思っている僕にとっては、なじみやすいチームです。 チームに入るまでは「パワポケ」のことはよく知りませんでした。なんで野球ゲームにギャルゲーがくっついてるんだろうくらいに思ってましたが、実際に開発に関わってみると、スポーツの部分とヲタくさい部分が奇跡的に融合しているんですね。それには驚きました。バランスがとれているというか……たぶん藤岡や西川といった連中の芯がぶれてないんでしょうね。会議で起こった笑いを平気で仕様として取り入れていきますしね。 製品版をプレイして笑ってしまうことはありませんが、テスト中に笑うことはあります。本当はプログラムが正しく動作しているかどうか厳しくチェックしなければいけないのですが、いつの間にかゲームに引き込まれて笑ってしまっている。これも他のゲームを作っていた時にはなかった貴重な体験です。「パワポケ」に求めることですか? これはゲームに求めることではなくてチームに求めることなのですが、プログラムを組む力が足りないです。もうちょっとそれがあれば、よくなる部分もあると思いますよ。 「6」までは年に一本というペースで発売されてきた「パワポケ」だが、最近では年に二本、三本と、ペースが上がってきている。そんな中で、岩崎のような経験豊富なプログラマーの参加は、チームにとって大きな意味を持っているに違いない。岩崎に続いて会議室に入ってきた島津もまた、最近チームに参加した3Dのグラフィッカーだ。GBAで展開してきた「パワポケ」には当然、3Dのグラフィックは入ってはいなかった。ハードがDSに変わったことでミニゲームや野球部分を3Dで描くことになり、島津が起用された。ハードが変わることで求められるものも変わり、チームに新たなメンバーが参加してくる。それでも、「パワポケ」の芯がぶれることは、もちろん、ない。 「パワポケ」は、僕のゲーム観を変えたタイトルです。こちらに配属されることになってはじめて「7」をプレイしたのですが、ショックでした。最初は「こんなゲームあるの?」という感じだったのですが、プレイを進めていくうちにドキッとしたり、ハッとさせられたりしました。藤岡さんが描いてくるイラストを見ると、低年齢向けなんだろうなと思うんですが、内容はどうしても違う。今、僕は遡って「6」の裏サクセス「しあわせ島編」をプレイしているんですが、あれ、ヤバイですよね? こんなん出していいの? という気がするネタもあります。 今、自分がスタッフの一人として3Dのグラフィックを担当させてもらっているのですが、正直、「パワポケ」には2Dのグラフィックでいってもらいたいと思うんです。ハードが変って3Dの比重は高くなっていくとは思うのですが、3Dは3Dでも、2Dっぽい手法を使っていこうと思っています。3Dであることを前面に押し出すようなグラフィックにはしたくないですね。 なんでしょうねぇ、僕にとっての「パワポケ」はごった煮とか、海鮮丼でしょうか。いろんなものが入っているという感じです。 「海鮮丼でもフグ入ってんねん」。藤岡が口を挟む。「海鮮丼やぁ、うわぁ、豪華やなぁ、フグ入ってるやぁんと思って食べたら、うわ! キモしか入ってへん!! とかなぁ」。島津も倉西も声を上げて笑う。たった一言で、そこに「パワポケ」の笑いが生まれる。フグのキモ入り海鮮丼を食べたらどうなるか? そんなことは誰も考えない。フグのキモ入り海鮮丼。その投げっぱなし感も、「パワポケ」の魅力の一つだ。 時計の針は17時半を回っていた。インタビュー開始から三時間半、いよいよ十人目、最後の一人が会議室に入ってきた。「ダッシュ」のカード野球と裏サクセスを担当した山本。彼は「ダッシュ」がはじめての「パワポケ」で、チーム内では最も若いスタッフだ。藤岡とともに「パワポケ」を作ってきた最古参の西川からはじまって、インタビューの最後は最近、チームに参加した最も若いスタッフ。藤岡はこの企画の意図を咀嚼し、インタビューを受けるスタッフの人選、コーディネイトを整えていた。 「パワポケ」はやっぱりすごい歴史のあるシリーズですし、毎回売れているタイトルでもあります。かなりプレッシャーは感じましたが、その歴史と伝統を生かしつつ、新たな流れというか、新しいものを作ってみたいとも思いました。それがカード野球です。何か新しいものを作るのならば、根幹にある野球部分から変えようと、「ダッシュ」チームで考えたんです。 「チーム言うてもなぁ」。藤岡が補足する。 チーム言うても、丸山君と山本君の二人に、僕がちょこちょこ手伝うような感じの三人なんです。今までの野球部分のプログラムを二人に渡しても、結局、自分たちが触ったことのないプログラムですから、把握するだけで時間がかかってしまう。それやったらイチから新しいもんを作った方が手っ取り早いんちゃうかという発想です。最初はピンボールにしたらえぇやんとか、無責任なこと言うてたなぁ。 「それ、いいですよ、遊んでみたい!」。倉西はピンボールゲームも大好きだ。あまりの好きさ、思い入れが高じて開発に参加してしまったドリームキャストピンボールゲーム「ネクロノミコン」には、スタッフとしてクレジットされている。「パワポケ」でピンボール。倉西にとってはこれ以上ないソフトになるに違いない。山本が続ける。 カード野球については、新しいものを作ることができたという満足感はありますが、完璧とは言えません。まだまだ足りない部分が多いです。ただ、特殊能力カードを積極的に使ってもらえればゲームにおもしろみが出ますし、投手/打者双方のカードがすべて見えますから、その部分の読みあいもおもしろくできたと思います。裏サクセスについても新しいことを試してみたかったので、自動生成型のダンジョンRPGを採用しました。アイテムの全種類コンプリートはかなり難度が高いと思いますから、ぜひ挑戦してみてください。 パワポケについてですか……そうですね、野球の入ったびっくり箱ですね。野球も入ってるんですけど、それがメインではなく、野球もいろいろある楽しみの一つに過ぎないという感じでしょうか。 ※倉西のテキストは、Mac OSで書かれています。 twitter ユーザー名 kararemichi MH3(tri-) ハンターネーム:SEIICHI ID:DY2FGH

 

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