【狩られ道B 15】苦悩の果て、男がすがったのは、しょせん、藁(その4) *
「いいっすねぇ、きなこもち、食っていいっすか?」
「え? 先輩、食う? いいよ」
眠気だけではなくヤバそうな空気まで醸し出しはじめた男塾先輩が、きなこもちに反応していました。いや、だから、おまえらさぁ……。
「倉西さん、あれっすか、それ、新型PSPっすか、いいっすねぇ、俺もそろそろPSP、買わなきゃですよねぇ」
まだ買ってなかったのかよ! 男塾先輩さぁ、おまえ、今までどれだけ「モンスターハンターポータブル 2nd」の仕事してきた? そんなおまえがなに? PSP、持ってないの?
「えぇ、まぁ」
ぐっと突き出された先輩のPSPの裏面には「電撃PlayStation編集部用/持ち出し厳禁」と書かれたテープシールが貼ってありました。なにか言ってやろうという気力をなくしはじめた僕の横で、青毛が、自慢の青いPSPを操作していました。青毛は、電撃PlayStation編集部で働きはじめたころ、本当に頭髪が青だったのです。なので、あだ名はすんなり「青毛」になったのです。そんなヤツですから、そういう髪の毛の色の美少女アニメが大好きでも責められませんが、本人は最近、普通に黒髪です。ですが、案の定、ピアスを装備したキャラクターの髪は青でした。あぁ、もうどうでもいいよ。
「よし! じゃあ、まずなにからやりますか? 片手剣からにしますか?」
おまえが仕切るな! 塩豚まんときなこもちを食い終えた西岡が元気いっぱい声をかけ、僕を除く3人がほぼ同時に準備を終え、一斉に集会所に入りました。出遅れました。
「遅いっすよ、倉西さん」
……はいはい。
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