【34時間連続更新】全米が泣いた! そして、大阪は笑った! 「パワプロクンポケット」 第8回
「パワプロクンポケット10」12月6日発売!
(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
(社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 阪神甲子園球場公認
※ジャケット画像はTSUTAYA onlineに掲出されているものです。
※この文章は電撃パワプロという増刊号のために書かれ、後にブログにアップされたものの再掲出になります。
倉西の顔がほころぶ。選ばれたのは「長いのん」だった。内線で呼ばれた西川が足取りも軽く、会議室に入ってきた。「パワポケ」のメインシナリオを担当する西川は、倉西にとってはある種のヒーローなのだ。どういう種類なのかはともかく。
今回のインタビューを行うにあたって、倉西は当日朝、三つの質問を「パワポケ」チームに送っていた。一つは「あなたにとってパワポケとは何ですか?」、二つめは「パワポケを一言で表現してみてください」、三つめは「パワポケの製品版をプレイして、思わず声を出して笑ってしまうことはありますか?」だ。事前にそれを知らされていた西川は、倉西の質問を待たずに語りはじめた。
僕にとっての「パワポケ」は、旅の途中で立ち寄ったら思わず長居してしまって、出かけようかと思ったらそれはそれでお互いに困るし……みたいな関係のものですね。Jリーグもはじまるし、これからはサッカーやでぇ言うてたところで「パワプロ2」のチームに入ったんです。えぇ、まじぃ? なんで野球やねん!? という気持ちはありましたが、ゲームとしておもしろくなりそうな予感はあったので、まぁいいかなぁと。そのうち「パワポケ」がはじまってそっちに移ったときも、好きなことやっていいんだと思ったことが強いですね。なにより企画が通る。好きなことができる。居心地のいいチームです。最終的に「パワポケ2」の裏サクセスになった戦争編というのがあるんですが、あのアイディアは藤岡さんが「パワプロ5」の企画会議に出していたものなんです。会議ではみんなで笑ってたんですが、笑いがおさまったら「はい、じゃあ、次!」って、当時の上司があっさり流した。「えぇ! みんな笑てたやん!!」みたいな。あぁいうことはないですね、「パワポケ」チームでは。おもろい企画は通ります。
「パワポケ」を一言で表現すると、無国籍料理の創作系ですね。食べてみないと自分の口にあうかどうかわからないのですが、間違いなくびっくりはする。そういうところはありますね。製品版をプレイして笑うことはあまりないです。他の人が作っていたイベントを改めてみて、笑いはしませんが、「あっ」と声を出して驚くことはありますね。それは「パワポケ」だけでなく、他のゲームをプレイしていてもあります。笑うというよりも、驚くという感じです。あとは自分が昔作ったイベントやネタを見てしまったときに、恥ずかしくて笑うことはあります。
「パワポケ」の笑いですか? お笑いを専門に勉強したわけじゃないんであれですけど、ボケとツッコミという流れにはなってますよね、メガネと主人公が。どうでしょう、どっちかというと関西系でしょうねぇ、当然ですけど。ただ、年々、ギャグを作るのは難しくなってますね。僕はゆとり教育のせいじゃないかと思うんですが、なんでもかんでも「あぁ、なんとかちゃんが言ってることも正解よね」とかなるわけじゃないですか。なんかアホの振りしておもろいこと言っても、「それも正解よねぇ」言われたら笑いになりませんから。価値観が多様化して、選択肢が増えて、笑いが生まれにくい環境になりつつあるような気がします。結局、今は天然ものが一番強い。天然ボケが最高ですから。逆に、ギャグは受難の時代なんでしょうねぇ。二年前にもお話ししたかもしれませんが、いつも刑務所の塀の上を歩いているような気分です。言葉の選び方には注意してます。
※この文章は2006年5月に書かれたものです。
※「パワプロクンポケット」シリーズの公式サイトはこちらです。