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(中編から続く)
できない子、西岡が僕の隣に座りました。さすがに「いいかげんにしてください」とまでは言いませんでしたが、ある種のプレッシャーは伝わってきます。西岡は
電撃PlayStationの「
モンスターハンター」担当でもあります。
PS2版の第1作からずっと、担当してきています。「
モンスターハンター」への愛情は誰よりも強いのですが、さすがに仕事は仕事だろうと、僕を呼びに来たのでした。「あと少し、あと少し、もう少しで、いや、ねぇ」。まったくもって意味をなしていない、うわごとのような言い訳を聞いた西岡もあきらめ、横山さんが待つ打ちあわせスペースに向かいました。正直、ほっとしました。あんなプレッシャーの中で、早食いなしで戦うのはしんどいからです。社会人としてどうかという問いは一瞬も頭をよぎることなく、「なんだ西岡の野郎、「
モンスターハンター」のおかげでデスクになれたのに!」などと、逆ギレ以前にまったく角度が定まっていないような自分でも書いていて理解できない怒りを
リオレイア希少種に叩き込みました。
目的を達成しました。
剥ぎ取りからは、雌火竜の紅玉は出ませんでした。まぁ、これはいつものことです。今回のポイントは報酬です。幸運が発動していますから、報酬がいつもよりも少し増えているはずです。そこに、雌火竜の紅玉が……ありました! 1つ、雌火竜の紅玉があったのです。すばらしい! なんとすばらしい瞬間でしょう。さすがは宮下です。「ゴールドルナ、全部はそろえなくても幸運が発動しますよ」。ヤツがそうささやいただけで、雌火竜が落ち、紅玉をくれました。戦ったのは僕ですし、雌火竜の紅玉を手に入れたのも僕ですが、これは確実に宮下が、切れ味のいい太刀を振るうこともなく、まるで毒けむり玉のような甘い(毒けむり玉が甘いかどうかは知りませんが)ささやきで雌火竜を落としたということなのだと思います。そう信じるしかないくらい、あまりにも見事な結末でした。
「雌火竜の紅玉、出ました」。
10分近く打ちあわせに遅れておきながら、僕は横山さんの顔を見るなり、そう言いました。しかも、ぐっと
PSPの画面を突きだし、誇らしげに。横山さんと西岡は言葉を失い、無言です。この日、打ちあわせに使うために用意されていた「みんなのGOLF5」体験版のデモムービーが、大きな声で言いました。「ナイスショット!」。我に返った僕は、「いや、これ、また、ブログで書きますから。仕事です、仕事。
TSUTAYAさんのブログ、もりあげなきゃ」などと、これまた意味不明な言い訳をしたのですが、二人は無言です。「あ、ちょっと待ってください、ブログ用に写真、撮りますから」。さらにかぶせてごまかそうとしたのですが、二人はまだ無言です。僕はポケットからデジカメをとりだして、
PSPの画面を写真に納めました。「さすがに、ここでゴールドルナシリーズをそろえたりはできないなぁ」。そんなことを、いや、そのことだけを思いながら……。
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